遺言書の種類と違いは?
おはようございます。
阪神・姫路相続遺言センターと申します。
私たちは、伊丹市、姫路市および近隣地域を対象に活動し、女性行政書士2人で運営しております。
業務で出てきた皆様の疑問に分かりやすくお答えするするために日々ブログを更新しています。
今回は、「遺言書」の種類についてです。
「遺言」に興味を持たれる方が、年々増えていらっしゃいますが、遺言書にも種類があって、まずどれがいいのか迷う~、違いがイマイチ分からない~とお聞きします。そこで、ポイントを少しまとめてみました。
遺言には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。
(特別方式遺言は特殊ですので省きますね。)
そして、この3つのうち、よく利用されるのが、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つです。
目次
秘密証書遺言
まず、先に人気3番手の「秘密証書遺言」を見てみましょう。
秘密証書遺言とは、遺言の内容を自分以外の人に知られないように作成する遺言書です。
メリットは、自分で作成するので内容を完全に秘密にできることです。
もっとも、秘密証書遺言であることの確認のため、公証役場で公証人と証人2人以上に確認をしてもらう必要があります。
デメリットは、だれにも秘密にしているため、遺言書の置き場所をご家族や身近な人が知らなければ、その存在を誰も知らず、見つけてもらえない可能性あることです。また紛失してしまうことも考えられます。せっかく作成しても効力が発生しなければ作成の意味がありません。どの人に伝えておくか、が大事なポイントになります。
効力を持つには、遺言書に本人の署名・押印、封筒には本人と証人、公証人の署名・押印が必要です。また作成には、公証役場の手数料が必要になります。
自筆証書遺言
自筆証書遺言とは、遺言をする人(被相続人と言います)が、手書きで作成した遺言書です。
手書きと言っても財産目録については、パソコンで作成してもOKです。さらに、預金通帳の口座情報がわかる部分のコピーや登記簿謄本のコピーなども、目録として添付することもできます。
メリットは、自筆証書遺言は、証人が不要で、ここが、他の遺言書の作成と違いです。署名・押印は本人のものだけで作成できます。
デメリットは、秘密証書遺言と同じく本人が保管することになるため、ご家族などに遺言書の存在を知らせていなければ、見つけてもらえない場合があることがあります。また、もし知っていたとしたら・・・もしかすると改ざんのリスクがある場合もありえます。さらに、自筆証書遺言としての形式をみたしていない場合、無効になるリスクもあります。
2020年7月10日から、自筆証書遺言を法務局で保管してもらえるようになっているよ。
この制度を利用すれば、遺言書の紛失や改ざんを防ぐことができるね。
公正証書遺言
公正証書遺言とは、公証役場で公証人に作成してもらう遺言書です。公正証書になります。
公証役場とは、公証人が遺言、各種契約や会社の定款、確定日付の付与などのお仕事をされる公の事務所です。市役所ではありません。 公証人には、法律の専門家の中から認められた人が就かれます。元裁判官先生などが多いですね。
話をもどして、公正証書遺言を作成するには、遺言者が遺言書を書いたことを証明する証人が2人以上必要になります。こちらも、本人と証人、公証人の署名・押印が必要になりますので、承認2人を準備する必要があります。
メリットは、公証人が作成するので形式的な効力要件はきちんと充たせるように、アドバイスしていただけることです。ただし、内容に関するアドバイスは含まれません。相談によっては一般的な範囲でアドバイスしていただけることもあります。
デメリットは、少なくとも承認2人にお願いする必要があるということです。
原本は公証役場で保管されますので、正本は本人が保管します。公正証書遺言を作成の場合は、財産の額によってかかる費用が異なります。
開封はどのようにするの?
自筆証書遺言と秘密証書遺言の開封には検認という手続きが必要です。
遺言書を見つけた人が勝手に開けてしまっては、いけません。
検認とは、家庭裁判所で相続人が立ち合いのもと、遺言の内容を明確にします。それにより偽造を防止したり、相続人に対して遺言の存在・内容を知らせることができます。これが検認作業です。
従って、自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合は、ご自宅などで保管されているはずなのでこの作業が必要になります。公正証書遺言の場合は検認は不要です。
勝手に開けたらどうなるの?
遺言書を勝手に開封すると罰金が科せられる可能性があります。勝手に開けてはいけませんので取り扱い注意です。
じゃあ、開けるまで時間がかかるの?と思いますよね。
検認手続きはどうやってするのでしょうか?
検認手続きはこのような流れになります。
1 申立て
遺言書の検認は、まず家庭裁判所に申し立てを行います。
検認申立書と一緒に、遺言者と相続人全員の戸籍謄本を家庭裁判所に提出します。
2 通知
検認日の通知が送られてきます。
3 検認の実施
検認日に家庭裁判所で検認が行われるので、申し立てた人は立ち会います。
必ずしも相続人全員が立ち会う必要はありません。
4 証明書発行
検認が終了したら検認済証明書を申請します。
申請が受け付けられると遺言書に検認済証明書が付けられて、名義変更などの続く相続手続きができることになります。
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相続には様々な手続きがあり、決まりごとも多いですね。
相続・遺言にお悩みの際は、ぜひお声がけ下さいませ。
お話をお聞きして、より良い方法をご一緒に探していきましょう。