遺言書の調査方法は?【自筆証書遺言】
公正証書遺言の保管場所について見てきました。
では、公証人役場で検索しても遺言書がなかった場合はどうしましょうか。
次にあるとすれば、自筆証書遺言かもしれません。
今回は、自筆証書遺言の捜索場所(大げさな!笑)を検討してみたいと思います。
自筆証書遺言の場合
目次
1 どこを探す??
実際のところ自筆証書遺言は、検索して分かるようなシステムがないのが現状です。
故人が、作成してどこかに保管しているものですから仕方ないですね。
従って、原始的な方法ではありますが、故人の自宅や部屋の遺品から探すしか方法はありません。
タンスの中、書類ケースの中など自宅内の重要なものが保管されている場所を探してみましょう。
もちろん銀行の貸金庫に保管しているなどの特別なケースもあるかもしれません。この場合は、貸金庫を開けるために相続手続きが必要になります。相続人を決めるために遺言書を探しているのに先に相続手続きが必要なんておかしな話しですが。
この場合は手続きに時間がかかると思われますので、ないものとして手続きを進められると良いと思います。
2 自筆証書遺言書が見つかった場合
自筆証書遺言が見つかった場合はどうすれば良いのでしょうか。
この場合は、家庭裁判所での遺言書の検認手続きが必要になります。
開封はどのようにするの? 勝手に開けたらどうなるの?手続き方法は➡➡こちらから。
封がされている場合は、くれぐれも勝手に開けることはしないでくださいね。
一刻も早く見てみたいかもしれませんが、過料の制裁が課される場合もありますので、手続きを踏んでください。
3 自筆証書遺言の保管制度
他には、令和2年から法務局で自筆証書遺言を保管してくれる制度が始まっています。
もし、故人がこの制度を利用されていたら法務局に保管されている可能性があります。その場合は、「遺言書情報証明書の交付請求」を行います。
この証明書を取得すると、遺言書の写しが記載されているので、遺言書の内容を知ることができます。
ただ、この遺言書情報証明書の交付請求には、以下の書類が必要になります。
①遺言書情報証明書の交付請求書(1通:1,400円/収入印紙)
②法定相続情報一覧図の写し(法定相続人全員の住所記載あり/発行日から3か月以内のもの)
③受取方法に応じて、以下の書類が必要です。
【窓口での受取】請求人の顔写真付き官公署発行の身分証明書(有効期限内のもの)
【郵便での受取】請求人の住所氏名を記載した返信用封筒(切手要)
④請求人に応じて、以下の追加書類が必要です。
【受遺者、遺言執行者が請求人となる場合】請求人の住民票
【法人が請求人となる場合】法人の登記事項証明書(発行日から3か月以内のもの)
【法定代理人が請求する場合】親権者・・・戸籍謄本(発行日から3か月以内のもの)
後見人等・・登記事項証明書(発行日から3か月以内のもの)等
手続き方法について詳しくは、こちらからご確認くださいませ。
参考:出典 法務省➡遺言書情報証明書の交付の請求方法ちらし
少し準備すべき書類が多いですね。
また、遺言書情報証明書の交付請求を行うと、他の相続人に対しても全員に法務局から通知が行きます。
したがって遺言書を預けているかどうかはっきりしないな~という場合には、「遺言書保管事実証明書の交付請求」をなさるとよいと思います。こちらの証明書では、遺言書の内容までは分かりませんが、あるかないかは、わかります。こちらの方が準備すべき書類が少なくてすみますので、保管されていることが分かった時点で「遺言書情報証明書の交付請求」をなさると良いのではないでしょうか。
4 やっぱり遺言書がなかった場合
遺言書を一通り探してみたけれど見つからなかったという場合は、どうすれば良いのでしょうか
この場合は、相続人を確定します。
法定相続人と呼ばれる人ですね。
何もしなければ、この法定相続人が法定相続分に従って相続することになります。
よく言われる配偶者と兄弟姉妹とで2分の1ずつ。兄弟が多ければ2分の1をさらに分割するといった具合です。
ですが、ここで問題なのは何かしら分けられないものが出てくるということです。
遺産が現金のみだった場合は、分割しやすいかもしれませんが、不動産や、有価証券、ゴルフの会員権など分割しにくいものがあった場合は、その価値を把握して法定相続分に見合うように、どのように分けるかの話し合いが必要になります。
この話し合いを遺産分割協議と言います。
この話し合いの決着がつくまでは、相続人全員の共有財産になりますので、誰かが勝手に処分するということはできません。
お疲れさま~
遺言書が後から見つかったらどうすればいいの?
心配だね。
ちょっと一息ついてから確認してね~。
遺言書があとから見つかった場合はどうする?は➡こちらから。