遺言書:割合で分けることはできますか?



おはようございます。
阪神・姫路 相続遺言サポートセンターの秋田と申します。


ご無沙汰してしまいました。
ホームページを紆余曲折、業務の傍ら手直ししつつ進めております。
まだまだ改善しなければいけないところが多々ありますか、よろしくお付き合いくださいませ。

お久しぶりです。
お元気でしたか?
暑い夏もようやく峠を越えたかな~??



このようなご相談がありました。(ポイントだけ抜粋しております)

【相談事例 70代男性】

遺言書を書こうと思っています。
預金について、妻と息子2人に法定相続分と異なる割合で遺したいのですが。。
銀行口座は一つで、普段の生活費の出し入れも、年金の入出金も全てここからしています。
ですので、いつ、どのくらいの額が残せるか、残っているか分からないのです。そのため、「誰々にいくら」という書き方ではなく、割合で遺したいのですが、割合で遺すことは出来るのでしょうか?


【Ans.】
割合で遺すことはできます。

例えば、妻に6割、息子にそれぞれ2割ずつという場合、

第〇条 「銀行名、支店名、口座番号○○」の通帳の6割を妻である氏名○○(生年月日)、2割を長男である氏名○○(生年月日)、残り2割を次男である氏名○○(生年月日)に相続させます。

というように割合で指定します。

まずは、銀行名、口座、などをしっかり他のものと区別できるように書いておくことが必要です。
もちろん、誰に、の部分も紛らわしくないように誕生日などでしっかり判断がつくように書きます。

今回のお話では、通帳1冊の中身だけということでしたが、すべての預貯金について、同様に割合で分ける場合は、「全ての預貯金の合計額の〇割を○○へ、」とすることもできます。
また、銀行ごとに分けることもできますし、口座ごとに分けることもできます。

ここで注意すべきなのは、法定相続分と異なる割合で分けますから、遺留分を侵害していないか、ということも考えておく必要があります。遺したくない人だから敢えて少なくした場合は特に、遺留分減殺請求をされることも考慮して、相続割合を決めておくと無駄な争いを避けられるのではないでしょうか。

遺留分減殺請求ってな~に??

遺留分を侵害された人、つまり法定相続分の2分の1はもらえるはずなのに、指定された割合が、自分の取り分を侵害している~といった場合には、その相当額を贈与又は遺贈を受けた人に対して、侵害の限度で返して~と返還を請求することができるのです。 返還請求について当事者間で話し合いがつかない場合や、話し合いができない場合は、遺留分権利者は家庭裁判所の調停手続きを利用することができます。



注意点に気をつけながら、是非、遺言書の作成にチャレンジしてみてくださいね。
書き上げたものは、要件を充たしているか、公証人役場で公証してもらうか、専門家に見てもらうなど確認された方が安心です。

それでは、今週も良い1週間でありますように。

今週もよろしくね~