相続人になったら必要な10の手続き 解説2


こんにちは。

もし、あなたが相続人になったら。

どんな手続きをしなければいけないのかご存じでしょうか?

ここまで読んでいただいた方は、なかなかたくさんの手続きがあるな~と感じられたのではないでしょうか。

次々にやってくる手続きをしながら、故人の持ち物の片づけなども並行してやっていかなければならないとなると、あっという間に時間は過ぎてしまいそうです。


様々な心配事の解決のお手伝いができれば幸いです。

今回も続きからです。

4 3カ月以内にやるべきこと

① 遺言書があるかを確認します。

遺言書があれば、原則として相続は遺言書の内容に沿って手続きを進めていくことになります。


遺言書がなければ、法定相続分に沿って相続することになります。遺言書がない場合は、相続人間の話し合いで決めることになります。決めた内容は、遺産分割協議書という形式にそって作成し、それに基づいて相続手続きが行われます。

この遺産分割協議書は、3カ月以内に作成しなければならないというわけではありませんが、相続税の支払いの関係で後々必要な書類になるので、10カ月以内に作成されることが理想的です。


もっとも、遺産分割協議が行われた後に、遺言書がみつかれば、やり直しになるので、きちんと遺言書の有無は確認しておく必要があります。えっ~やり直し??と思われるかもしれませんが、故人の財産の行方を決めることなので、個人の意思が最優先されるってことですね。

各言葉の意味は、詳しく解説してあるページがあるので確認してね。

★遺言書について詳しくは➡➡➡こちら。

★法定相続分について詳しくは➡➡➡こちら。

★遺産分割協議書について詳しくは➡➡➡こちら。




② 相続人の調査、相続財産の調査

まずは、誰が相続人であるか、を確定します。

そして、どのような種類の財産がどのくらいあるのか、も確定します。

これを一般的に財産調査といいます。

★財産調査について詳しくは➡➡➡こちら。

どのような財産を誰と誰で相続するのか基本的な事項を確定するために必要な作業です。

相続人の確定作業の方法や、財産調査の方法などもまとめていますのでご確認くださいね。

③ 相続の承認または相続放棄、期間の伸長手続き(必要な場合)


財産調査をすれば、プラスの財産(積極財産と言います)ばかりではなく、マイナスの財産(消極財産と言います)

=すなわち〝借金”が出てくることもあります。

預貯金や不動産など目に見えて価値があるプラスの財産だけではなく、借金もしっかりと把握して考慮する必要があります。

さらに不動産などを相続しても、その後、税金や管理にどれくらい費用がかかるかということも考えておく必要があります。

しっかり考えた上で、相続することを決めるのが相続の承認になります。

この場合は、特に意思表示する必要もありません。

粛々と相続手続きを進めていきます。


他方で、プラスの財産もあるけれどマイナスの財産もある、そのような場合は、限定承認をすることもできます。

限定承認とは、相続財産の範囲でのみ承認をすることを言います。

つまり、相続財産がプラスよりマイナスの方が多かった場合は、プラスの範囲でのみ相続するのでゼロということになります。

借金を引き継がないだけでも良しとする場合ですね。

プラス財産からマイナス財産を引いた残りがまだあれば、その残り部分(プラスの部分)を相続することになります。


そして、マイナスの方が多い場合、つまり借金が残っている場合は、借金を受け継がないためにも相続放棄をすることになります。

★単純承認、限定承認、相続放棄について詳しくは➡➡➡こちら。

最近は、少子化の影響もあって、放棄したいというご相談も増えているよ。
放棄すると、その後どうなるのかも気になるところだね~。

※放棄手続きについてもご説明しています。

5 4カ月以内にやるべきこと

所得税の確定申告(故人分)

自営業者や不動産所得がある人が亡くなられた場合は、相続人は故人のかわりに所得税の申告を行う必要があります。
これを準確定申告といいます。

相続開始から4ヶ月以内に行う必要があります。

この準確定申告が必要なケースは、主に以下のとおりです。

  • 個人事業を行っていた場合
  • 不動産賃貸をしていた場合
  • 2ヶ所以上から、お給料をもらっていた場合
  • 給与所得が2,000万円以上だった場合
  • 給与や退職金以外からの所得があった場合


相続税関係で気になるところは、税務署の相談窓口で無料で教えていただけますので、ご利用くださいね。

6 早めにやっておくべきこと おススメ

① 遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書は、特に期限に決まりがあるわけではありません。

ですが、相続税の支払いの関係で遺産分割協議書が必要な書類になるため、10カ月以内に協議をまとめることができれば理想的です。

7 10カ月以内にやるべきこと

① 相続税の申告

相続財産の分割方法が決定すると、次は相続財産の評価額をだします。

そして各相続税が、いくらかかるかを計算します。
相続税がかかる場合は、10ヶ月以内に相続税の申告・納税をします。

相続税には基礎控除額というものがあります。相続財産の評価額の合計が基礎控除額の範囲内の場合は、税金が免除される仕組みです。

★基礎控除の出し方について詳しくは➡➡➡こちら。


② 不動産など各種名義変更の手続きをします。

これまでは、不動産を相続されても名義変更などの手続きをせずにそのまま~ということは、珍しくありませんでした。

ですが、2024年から相続した不動産は相続人に名義を変更することが義務になります。

放置していると、思わぬ過料などで取られる場合もありますので、忘れずに手続きして下さいね。


不動産の名義変更手続きは、司法書士が行いますので、ご相談いただいた場合も、手続きがスムーズに進みます。


③ 他にもこんな場合の名義変更が必要になります。

・預貯金、有価証券の名義変更

・自動車・バイクの名義変更

・ゴルフ会員権、電話加入権の名義変更

・損害保険の名義変更

★各種名義変更の方法について詳しくは➡➡➡こちら。

なかなか沢山あるね~
ちょっと休憩しながら読んでね~